【救急看護の基礎知識】一酸化窒素(NO)吸入療法

【救急看護の基礎知識】一酸化窒素(NO)吸入療法

目次

目的

NO吸入療法は、全身血圧には影響を与えず、肺血管を選択的に拡張します。しかも換気の良い肺胞の血管をより拡張するという特徴があります。
肺動脈圧の低下、肺高血圧クリーゼの予防、酸素化の改善を目的としています。

看護実際

  • NO流量計から人工呼吸器の吸気側まで、耐圧チューブなどが用いられます。また専用のコネクターが必要となります。接続、回路があっているか確認をします。
  • NOボンベの残量は十分か、流量が確実に設定されているか確認します。流量計にマーキングテープをはり流量が保たれているか確認します。
  • チューブはずれ、ガス漏れ、屈曲がないか確認します。
  • NOはヘモグロビンと結合し、酸素運搬機能のないメトヘモグロビンに変化します。メトヘモグロビン血症は組織の低酸素血症をきたすため注意が必要です。
  • NOを急激に減量や中止した場合。肺高血圧や低酸素血症を引き起こしたり増悪したりする可能性がありいます。
  • 気管内吸引を行う際、一時的にNOを中断してしまうことで肺高血圧や低酸素血症をおこす原因となるため注意が必要です。気管内吸引を行う際は閉鎖式の吸引方法で行うか、ジャクソンリースにNOを接続して行うようにします。
  • NOの使用により肺血管抵抗が低下すると、肺血流の増加に伴い体心室の前負荷が増加します。この結果、左心不全が増悪し、急激に肺水腫像を呈する可能性があります。

 

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