【救急看護の基礎知識】IABP(大動脈バルーンパンピング)

【救急看護の基礎知識】IABP(大動脈バルーンパンピング)

目次

目的・適応

    • 心原生ショック、虚血性心不全、虚血性心疾患以外の心不全、重症冠動脈病変、PCI 後の冠動脈解離などの術後急性冠動脈閉鎖に対して行われます。
    • PCPS(経皮的心肺補助装置)との併用でPCPS時の左心高負加の軽減と拍動流の確保も行えます。
    • 冠血流の増加と左室後負荷の軽減を目的としています。(拡張期にバルーンを膨張させることで拡張期圧を上昇させ、冠血流を増加させます。)

☆大動脈解離、大動脈弁閉鎖不全での使用は禁忌です。

観察ポイント

    • 挿入時は動脈損傷の可能性もあるためモニタリングを行い出血所見に注意します。
    • 大腿動脈からアプローチします。刺入部の出血、発赤、腫脹、疼痛の有無など刺入部の観察を行います。
    • 下肢虚血による神経症状、足背動脈触知・左右差の観察を行います。
    • 腹部臓器虚血による臓器不全に注意する必要があります。
    • バルーン破裂による空気血栓に注意します。
    • IABP挿入中は血栓予防のためヘパリンを使用しているので出血傾向に注意します。ACT180~200秒程度を目標とします。
    • 溶血や血小板減少を起こす可能性があります。
    • 心拍に対し1:1からサポートを行い循環動態の安定や心不全の改善に伴い2:1→3:1と徐々に下げていきます。3:1のサポートで循環が安定している場合一度駆動を中止した状態で観察し、その後抜去を行っていきます。
    • 抜去後は穿刺部での仮性動脈の形成の可能性があります。

 

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