【救急看護の基礎知識】狭心症(AP)

【救急看護の基礎知識】狭心症(AP)

目次

狭心症とは

心筋に酸素を供給している冠動脈の異常(動脈硬化、れん縮など)による一過性の心筋の虚血のための胸痛・胸部圧迫感などが主症状です。虚血性心疾患の一つです。完全に冠動脈が閉塞、または著しい狭窄が起こり心筋が壊死してしまった状態は心筋梗塞といいます。

分類

発生の誘因による分類

  • 労作性狭心症:労作などの心筋酸素需要の増加によって起こります。前胸部絞扼感、前胸部圧迫感があり3~5分ほど続きます。発作時にはST低下がみられます。
  • 安静性狭心症:心筋の酸素需要の増加とは明らかな関係はなく起こります。

臨床的重症度や予後を考慮した分類

  • 安定性狭心症:狭心痛の強さ、持続時間、頻度が減少も増加もないものをいいます。
  • 不安定性狭心症:急性心筋梗塞や突然死を生じる可能性が高いものをいいます。狭心痛の強さ、持続時間、頻度に変動があり、狭心痛も大きいのが特徴です。

病態による分類

    

  • 冠れん縮性狭心症:冠動脈のれん縮(スパズム)による冠血流の減少または途絶により心筋酸素の需要供給平衡の破錠をきたします。

検査

運動負荷試験

狭心症では安静時の心電図は異常がないのが普通です。ですから、わざと負荷をかけて、症状や心電図の変化を観察する訳です。

RI検査

RI検査ではアイソトープを静注して心臓への放射性活性の分布をみます。血流の少ない部位では、放射性活性が低くなります。

ホルター心電図

安静時狭心症のように負荷では再現できない症状については、夜中や明け方の状態も知ることができるように24時間心電図を記録するホルター心電図が役に立ちます。

冠動脈造影(CAG)

冠動脈は普通のレントゲンでは写りませんから、造影剤が必要です。これを冠動脈に直接注入するための細いチューブをカテーテルと言います。このカテーテルを足の付け根や肘の動脈から冠動脈まで進めて、造影剤を流して動画撮影します。

治療

薬物療法

硝酸薬・カルシウム拮抗薬・交感神経ベータ遮断薬が代表的なものです。その他にアスピリンなどの抗血小板薬もよく使われます。発作時は硝酸薬(ニトログリセリンなど)の舌下投与が一般的です。

カテーテル・インターベンション

冠動脈にステントを留置したり、バルーンで冠動脈を拡張させるPCI(経皮的冠動脈形成術)が行われます。

バイパス手術

CABGが行われます。

 

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