【救急看護の基礎知識】PCPS(経皮的心肺補助装置)

【救急看護の基礎知識】PCPS(経皮的心肺補助装置)

目次

PCPS(経皮的心肺補助装置)とは

PCPS(percutaneous cardiopulmonary support)とは心肺補助装置です。PCPSは大腿静脈から静脈血を遠心ポンプを利用し脱血し、人工肺を用いて酸素化し、動脈血としそれを送血管を用いて大腿動脈に送血を行う心肺補助装置のことをいいます。

適応

    • 心肺蘇生時(心原性ショック、心停止状態)
    • 循環の補助(術後低心拍出量症候群(LOS)、難治性不整脈を含む、急性心筋梗塞後心源性ショック 、心筋炎による低心拍出量症候群、重症冠動脈疾患症例のPTCAの施行時 など)
    • 肺補助(人工呼吸器での限界を超えた重症呼吸不全、肺塞栓など)
    • 開心時など術中の循環補助

判断基準

主徴:左心不全心係数(成人)<2.0ℓ/min/m2(小児)<2.3ℓ/min/m2
収縮期動脈圧<80~90mmHg、左心房圧>18mmHg
右心不全心係数(成人)<2.0ℓ/min/m2(小児)<2.3ℓ/min/m2
収縮期動脈圧<80~90mmHg、中心静脈圧>18mmHg、左心房圧>5mmHg

副徴:尿量<0.5mℓ/kg/h、混合静脈血酸素飽和度<65%、動脈血酸素含量較差>7.0Vol%

禁忌

    • 末期患者
    • DIC
    • 慢性閉塞性動脈硬化症(ASO)
    • 大動脈に大きな損傷のある患者
    • 近日に脳血管に障害のある患者
    • 敗血症ショック
    • 高度の大動脈閉鎖不全症の患者

観察ポイント

    • 下肢の阻血による神経症状、足背動脈の触知、冷感を観察していきます。
    • ヘパリンを使用しているため出血しやすいので注意する必要があります。
    • 血栓形成のリスクが高いため血栓症に注意します。
    • 刺入部の出血、発赤、腫脹など刺入部の観察を行っていきます。
    • 血管損傷による出血、臓器への血流低下に注意していきます。
    • PCPS維持に関しては,循環血液量不足による脱血不良や回路の不備は致死的となる場合があります。
    • 挿入に伴う感染のリスクは高まります。
    • 補助循環を使用することで溶血を起こすことがあるので注意します。

 

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